あのコへ。

いつも、ありがとう。
お礼に、今夜は、
キミのために、たっぷり時間をかけて、
老婆心ながら助言させてもらうけど、
怒らないで落ち着いて聞いてね。
あくまでも、
尊敬するキミの為を思って言うことだから。
いわば僕は、キミの、転ばぬ先の杖。
助言というのは、
キミの母校が、
僕らの母校である大学だってことは、
世間には極力、言わない方が良いってこと。
敢えて僕が、こんな助言をするまでもなく、
キミは完璧主義だからこそ、
既に謙虚で控えめだとは思うけれども。
でも実際、
僕が、
僕の母校についてキミに打ち明けた時、
キミも、不快に思ったでしょ?
それが、世間からの普通の反応。
それでも、
おそらく今のキミは、
世間に自慢したくて仕方がない頃合だと思う。
昔は僕も、そうだった。みんな普通はそう。
その虚栄心があったからこそ、
頑張れたんだし。
でもね、
特に僕の場合は、
一番喜んでくれると思ってた親からさえ言われたのは、
「それが、どうした?」だった。
てっきり褒めてくれると思ってたから、
衝撃的だったよ笑
母方の祖母だけは、
満面の笑みで褒めてくれたけどね。
そういやキミの笑顔って祖母の笑顔にも似てる笑
でも、
親さえ褒めてくれないのだから、
世間は、もっと冷たい。
そして、
こちらに少しでも隙さえあれば、
すぐ世間から皮肉を言われる。
最初だけは、持ちあげてくれる人もいるが、
こちらが少しでも気を緩めようとすると途端に、
これ見よがしに攻撃してくるから、
落差が激しくてビックリしちゃうよ笑。
僕らは、世間から、
何でも出来て当たり前だと思われてるからね。
まぁ完璧主義のキミには出来て当たり前かもしれないけど、
テキトー主義の僕からしたら笑、
なら世間には極力、
母校の話は黙っておくことにしようとなる。
それなら、
いくら世間が冷たくしようとしても、
暖簾に腕押し糠に釘だからね笑
そして、
打ち明けるのは、
気を許せる相手だけにしようとなる。
だから、あの記念日までは、
キミにも黙ってたんだ。
寧ろ、
既に卒業とその先まで手にしてしまったがゆえに、
虚栄心への渇望が昔ほど強くないことが、
僕の悩みのタネでもある。
だから僕には、
虚栄心以外の強烈な原動力を探すか、
虚栄心への渇望を取り戻すしかないのだ。
そこで、キミの出番だ。
キミは威張り散らしたいだろうから、
僕に自慢することで、
虚栄心が満たされ、ストレス発散にもなる。
逆に、
のほほ〜ん笑としてる僕は、
キミに焚きつけられることで、
一時的に少しムッとはするものの笑、
虚栄心への渇望が増して、加速できる。
つまり、
キミが世間に自慢すれば、
世間から反感を買うか世間に遺恨を残して、
いずれキミに皮肉や攻撃として跳ね返ってくるが、
キミが僕に自慢する分には、
キミも僕も得することになるのだ。
まさに、一挙両得。
キミは完璧主義だけど、
キミも人間だから時々ミスすることもあると思う。
そんな時に、
世間から皮肉を言われたら、
キミの不満は、
いつでも僕が受けとめてあげるからね。
寧ろ、
世間に自慢したくなったら、
代わりに僕に自慢すればいい。
尊敬するキミの自慢なら、
いつでもニコニコして聞いてあげるよ。
その代わり、
キミ以外の後輩の自慢に対しては、
「それが、どうした?」
って言うけどね笑
じゃあ、
おやすみシンデレラ。